2007.4.3
さてさて関西アート情報ポッドキャストARCAudio!!
毎週火曜日は築港ARCにて毎月開催されるARCトークコンピレーションの模様を全4回に分けてお届けします。今月は3/17(土)に開催されたvol.1「カフェの領域 ~異分野から実践するカフェプロジェクト」の模様をお届け。
ゲストにカフェコモンズマネージャー/日本スローワーク協会の福井哲也さん、
カフェバー・ポコペン店主/劇団子供鉅人主宰の益山貴司さんにお越しいただきました。
本日の配信では、ご自身の活動について紹介していただきます。
(写真のトークブース内、左からゲストの福井哲也さん、益山貴司さん、聞き手のアサダ築港ARCディレクター)
[ARCトークコンピレーションvol.1【カフェの領域 1/4】]をダウンロード
で今日は、まず「カフェの領域 ~異分野から実践するカフェプロジェクト」の初回配信ということで、ここで二つのカフェ、「カフェ・コモンズ」と「カフェバー・ポコペン」の紹介をさせていただきます。(テキスト:アサダ)
カフェ・コモンズ
カフェ・コモンズはNPO法人スローワーク協会によって運営されている、在・高槻のコミュニティカフェです。一見、オーガニックな料理が食べられる巷のお洒落カフェ、という風にも見えなくはないのですが、内装のディテールや、その運営システムを知るにつれて、かなりオリジナリティの高いカフェであることがわかります。
ストローベイルという藁のブロックで緻密に組まれた内装、本格的な石窯で調理された料理、そして何よりもその内装作業から調理、運営までを、地域の様々な分野のNPOスタッフが担っていること。さらにはその働く過程で、引きこもりやニートであった人たちが自立していくシステムを確立しているなど、まさに多様な社会実践の要素が盛り込まれたコミュニティ性がこのカフェ・コモンズの特徴なのです。
「一見、オーガニックな料理が食べられる巷のお洒落カフェに見える」と少しネガティブな言い方で記しましたが、しかし、実はこのカフェ・コモンズのいい所は、その「一見“そう”見えるところ」にあるのだと筆者は思っています。“一見、普通である”アウトプットを持つことで、より多くの人に来ていただく機会につながり、さらにその人達の中から活動の真の意味に共感してくれる人が出てくる可能性も大いにあるからです。
何よりもまずは小難しいことを抜きにして、美味しい料理や、そこで行われるライブイベントを楽しみに行かれてください。きっと、活動の"本質"が自然に伝わってくる空間ですから。
カフェバー・ポコペン
ポコペンはとにかく見つけにくい!でもまず場所を探す試み自体が、谷町~空堀の長屋街の路地裏冒険となり、これがまた面白かったりするわけです。奥の奥のそのまた奥に佇む昔ながらの一軒屋から、得たいの知れない音や、若者達の笑い声が聞こえてきて、「うわ!こんなとこなんや!やっと見つけた!」となるわけですね。
オーナーが劇団の主宰者だけあって、とにかくアーティストが多く集まるカフェ。ここに行けば必ず、「音楽やってます」とか「映画撮ってます」的な人に出会えると言っても言い過ぎではない気がします。
この場所の本当に良いところは、「気まぐれで思いついたことを、気まぐれどおりやらせてくれる」ところ。これ、意外とできないんですよ、他の場所では。音楽イベントを開いたり、個展をやる際に、スペースオーナーさんに「イベントの意図は?」「お客たくさん呼べるん?」「お金はいくらまで出せるの?」とか色々突っ込まれて、「うぅ…」って自信なくなって結局やらずじまいなんてことは、若手アーティストならよくある経験だとは思いますが、ポコペンはそのあたりの壁をふわっと越えて、「まずやれることからやってみようよ」って言ってくれているような気がします。
筆者は先日、ポコペンのとある音楽会に飛び入りで参加してきましたが、まずこの「飛び入り」自体が先ほどの記したように「気まぐれ」でして、それを容認してくれるイベントが自然体で行われる場所が、近場に存在していることにとても喜びを感じました。
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【記事担当】
アサダワタル(築港ARCチーフディレクター/大和川レコード)
築港ARCの総合ディレクション担当、及び、アーティストとして弾き語りを中心に、打楽器演奏、ビデオパフォーマンスなどを行う。
http://www.geocities.jp/endeavor0203/
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