2007.5.3
関西アート情報ポッドキャスト「ARCAudio!!」
毎週木曜日はSpecialThursdayと題しての特別企画。
今月は大阪の芝居ユニット名前はまだなゐが大阪の街をバックにラジオドラマを展開!モチーフはなぜだかしら「桃太郎」!
とりあえずまずは聴いてみてください!
[SpecialThursday:名前はまだなゐのラジオドラマ【太郎の伝説@梅田LOFT DDR前】]をダウンロード
まず配信では「梅田HEPFIVE前」と言っておりますが→「梅田LOFT前」の間違いでございました!ひとまず訂正を。
リアルな街の音と完全にバーチャルな新体制桃太郎物語の織り成す不協和音をとくとお楽しみくださいませ。
野外録音のため少々聴き取りにくい箇所があろうとのことで、下に台本を掲載させていただいておりますので、こちらも参考に!!
【名前はまだなゐプロフィール】
さみしがりのあかんたれ。が、1人だなぁ、と感じた時に、あぁ、1人さ、という思いで舞台に立つ。
舞台に立つ時の名前を考えて・・結論は「いらない」。
「名前はまだなゐ」は、杉田真吾が1人で2005年にスタート。
とにかく自分の感性のままに歩いて公演を打ち続ける。
勝手に全国放浪しながらライブハウスで発表したり、奇跡を信じてブッキングライブ3daysを敢行したり、
とにかく感じる方向に歩くと、そこにはいつも音とリズムがある。
音とリズムで物語を刻む。
感覚的物語構築と自分で自分の作品の雰囲気を説明するが、誰も
「うん、そうだね」
と言ってくれないまま時が過ぎ、メンバーが増える。
現在、演者5人、制作1人。
それでもやはり、「名前はまだなゐ」。
いつになれば名前がつくのか心配される。
「楽器レスバンド」を掲げだし、
「シンクロナイズド・スポークンワーズ」
と呼ばれだし、
「物語を目や耳で感じて」
などとお願いしだして、今に至る。
現在「まるっきり0から何かを作る」ためにリーダー担当 杉田真吾は一人、沖縄で作品制作中。
残りのメンバーはそれぞれ関西で活動中。
【今回の台本】
第一話 太郎の伝説@梅田LOFT DDR前
太郎:青木雅美
ばあちゃん:浅野アンリ
好きな人が好きに読む 世界はいつもこんがらがって転げまわる。
君はいつも自分が正しいと信じる
う・ちゅ・う・に・の・っか・って
お願い誰も傷つかないで
お願い誰もが傷ついて
正しいと悪いのちょうど中間で
物語が始まりを告げる
太郎 ・・・それで?
ばぁ 何が?
太郎 何でためなの?
ばぁ 父さんの・・話を、しましょうか。
太郎 どうぞ・・
ばぁ あなたの父・私の息子は
太郎 あぁ
ばぁ バカだったわ
太郎 そんなことない!!
ばぁ そんなことある!!
太郎 そんなことない!!
ばぁ そんなことある!!
太郎 そんなことない!!
ばぁ じゃあ、天才だ!!
太郎 そんなことない!!
ばぁ じゃあ、普通かい?
太郎 そんなことない!!
ばぁ じゃあ、バカじゃないか!!
太郎 そんなことな・・ある!!
二人 そんなことある!!
ばぁ そんなこと!!・・・あるんだよ。
太郎 違う、ちょっと奇矯なところがあっただけだ!!
ばぁ どこがちょっとなんだい!!ちょっとじゃないんだよぉぅ(歌舞伎調)
例えば、海に行った時の話だよ
太郎 あの時は俺がどうしても海に行きたいって言ったから連れて
連れていってくれたんだ
ばぁ そこは問題じゃないんだよ。ただ、私が言いたいのは、
「どうして服を着ていかなかったんだい」ということなんだ
太郎 それは、「どうせ向こうに行ったら脱ぐから」と
ばぁ 全裸で泳ぐつもりだったのかい!!せめて海水パンツぐらいは履くだろうが。
太郎 その方が気持ちいいから、って父さんが・・
ばぁ 変態じゃないか!!あ!!変態じゃぁないかぁぁ(歌舞伎)
太郎 開放感が!!
ばぁ 開放感と引き換えにえたものはなんなんだい!!
太郎 ・・・陳列罪・・
ばぁ 聞こえないねぇ・・
太郎 陳列罪!!
ばぁ 陳列罪!!
二人 わいせつ物陳列罪ぃ(歌舞伎)
ばぁ まだそんな斬新なファッションは梅田では流行っていないんだよ!!
停電した時だってそうさ!!
太郎 停電?
ばぁ 停電した夜、お前の父親はこう言った。
「夜が暗いのは当たり前だ、私たちは電気をつけないでおこ う」
太郎 かっこいいじゃない!!
ばぁ そこまではな、だがそのまま少しうたた寝をしたお前の父親 は
目覚めた時にあまりに暗いので驚いて動転した。
太郎 ・・・
ばぁ 暗い!!電気をつけろ!!と暴れてたんすの角で小指をぶつ けて骨折。
非常灯がピカピカと光る救急車に担ぎこまれる時
お前の父親が何て言ったか知ってるかい?
太郎 知らない・・
ばぁ 暗いと前が見えないじゃないか、と言ったんだ
太郎 うん。
ばぁ 夜に電気を点けなくていつ点けるんだ、と言ったんだ。
太郎 うん。
ばぁ エジソンがどうして生まれたと思ってるんだ、と言ったんだ。
太郎 うん。
ばぁ そこで私は一発殴ってしまい。頬も骨折。入院は二ヶ月にのびたよ。
太郎 うん。
ばぁ そんな父親なんだ。
太郎 うん。
ばぁ そんな父親の息子なんだ。
太郎 うん。
ばぁ どうしてもかい?
太郎 どうしてもさ。
ばぁ そうかい・・・あんた、生まれた時のことを知ってるかい?
太郎 桃に乗って川上からどんぶらこどんぶらこ・・・
ばぁ そんなわけあるかね。
それはお前の父親がお前が生まれたのが嬉しくて
桃型のゆりかごを作ったんだよ
太郎 え?
ばぁ ところが段段その出来栄えに満足したお前の父親は
その作品をみんなにも見て欲しくなった。
だからお前を入れたまま川上から流したんだよ。
太郎 ・・・
ばぁ 私たちが見つけてお前を救い出した時お前は瀕死の状態だった。
太郎 桃・・
ばぁ 太郎や。私はいっそこのまま桃だと信じて
お前をここで食べるほうがお前のためなんじゃないか、とすら思ったよ。
太郎 うん。
ばぁ お前はそんな父親の息子として生まれてきたんだよ。
太郎 分かってる。
ばぁ 分かってない。
太郎 分かってる。
ばぁ 分かってない。
太郎 分かってる。
ばぁ 23掛ける36は
太郎 う・・・
ばぁ 分かってない!!
太郎 分かって
ばぁ 分かって
太郎 ない!!
ばぁ ないんだよぉぉぉう(歌舞伎)
太郎 それでも!!
ばぁ ・・それでもなんだい・・・
太郎 それでも僕は・・・
ばぁ ・・それでもオニを退治しに行くと言うのかい?
太郎 行く。
ばぁ そんな父親の子なんだよ?
太郎 分かってる。
ばぁ それでも
太郎 行く。
ばぁ どうしてだい?
太郎 僕は昔から「変な父親の息子」として虐げられてきた。
水泳の時間が終わればパンツがTバックに変えられていたり
給食を食べるのが遅くて6時間目まで食べさせられたり
パソコンが古くて毎日強制終了させたりした。
ばぁ それはお前、関係ないじゃないか・・・
太郎 でも!!僕の父さんは!!明るくて、僕にとっては本当にいい父さんだった。
ばぁ 太郎・・・
太郎 僕はみんなを見返したい。父さんをバカにしたみんなを!
だから僕は有名になるんだ。
ばぁ 有名に・・
太郎 あぁ、有名になればもう誰も僕を、僕の父さんをバカにしないだろ?
ばぁ 太郎・・・
太郎 だから、僕は、鬼を・・・
ばぁ 分かった。行きなさい。
太郎 ばぁちゃん!!
ばぁ これを持っていきなさい・・
太郎 え?これは、団子?
ばぁ この団子は2つが団子型爆弾。
太郎 え?
ばぁ このスイッチを押したら爆発する。
太郎 ばぁちゃん、ちょっと。
ばぁ この2つは毒入り。
太郎 ええ??
ばぁ 大丈夫、2日後に効き目が出るのでアシはなかなかつかないよ。
太郎 ばぁちゃん。
ばぁ 太郎や。私の望みはたった一つだ。
太郎 何?
ばぁ お前が無事であればいい。
太郎 ばぁちゃん・・・
ばぁ 後は少しぐらい金銀財宝を持ち帰っておくれ・・・
太郎 あ、うん。
ばぁ 行きなさい、太郎!!有名になっておいで!!!
太郎 有名になって
ばぁ あ!!くるんだよぉぉう!!(歌舞伎)
エンディング ラッセーラーラッセーラにのって
~こうして太郎は旅に出たのでした。はてさて太郎の運命やいかに、名前のないネットラジオ続くのか
続かないのか分からないまま次回へとコマをすすめるのであります。来週に、1いくんだよぉぉぉう(
歌舞伎)~
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【記事担当】
アサダワタル(築港ARCチーフディレクター/大和川レコード)
築港ARCの総合ディレクション担当、及び、アーティストとして弾き語りを中心に、打楽器演奏、ビデオパフォーマンスなどを行う。
http://www.geocities.jp/endeavor0203/
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