2007.5.24
関西アート情報ポッドキャスト「ARCAudio!!」
毎週木曜日はSpecialThursdayと題しての特別企画。
今月は大阪の芝居ユニット名前はまだなゐが大阪の街をバックにラジオドラマを展開!モチーフはなぜだかしら「桃太郎」!いよいよ本日最終回です。
[SpecialThursday:名前はまだなゐのラジオドラマ【モーも-太郎伝説@かのうの自宅】]をダウンロード
今回最終話は役者:かのうとおっさんのかのうさんの自宅にて。鬼退治を成功(!?)させた太郎は一躍ヒーローとなり、取材が殺到!? しかしその取材中にトンでもない事件が発生することに…。
【名前はまだなゐプロフィール】
さみしがりのあかんたれ。が、1人だなぁ、と感じた時に、あぁ、1人さ、という思いで舞台に立つ。
舞台に立つ時の名前を考えて・・結論は「いらない」。
「名前はまだなゐ」は、杉田真吾が1人で2005年にスタート。
とにかく自分の感性のままに歩いて公演を打ち続ける。
勝手に全国放浪しながらライブハウスで発表したり、奇跡を信じてブッキングライブ3daysを敢行したり、
とにかく感じる方向に歩くと、そこにはいつも音とリズムがある。
音とリズムで物語を刻む。
感覚的物語構築と自分で自分の作品の雰囲気を説明するが、誰も
「うん、そうだね」
と言ってくれないまま時が過ぎ、メンバーが増える。
現在、演者5人、制作1人。
それでもやはり、「名前はまだなゐ」。
いつになれば名前がつくのか心配される。
「楽器レスバンド」を掲げだし、
「シンクロナイズド・スポークンワーズ」
と呼ばれだし、
「物語を目や耳で感じて」
などとお願いしだして、今に至る。
現在「まるっきり0から何かを作る」ためにリーダー担当 杉田真吾は一人、沖縄で作品制作中。
残りのメンバーはそれぞれ関西で活動中。
【今回の台本】
第四話 かのうの自宅にて モーも-太郎伝説
太郎:有北雅彦
記者:嘉納みなこ
関連サイト:http://blog.livedoor.jp/kanoutoossan/(かのうとおっさん)
好きな人が好きに読む 世界はいつもこんがらがって転げまわる。
君はいつも自分が正しいと信じる
う・ちゅ・う・に・の・っか・って
お願い誰も傷つかないで
お願い誰もが傷ついて
正しいと悪いのちょうど中間で
物語が始まりを告げる
記者 なるほど、興味深い。
太郎 おもしろかったよ。
記者 すごいですね。
太郎 まぁ、いい父さんだったよ。
記者 でも、桃型のゆりかごに入れて子供を流す、とか。
太郎 まぁ、それはお茶目なとこだよ。
記者 下手すりゃドンブラコのリズムが死への子守唄でしたね。
太郎 ・・まぁな。
記者 死ねばよかったのに。
太郎 ん?
記者 いや、失礼。
それで、そんな父さんがバカにされるのが悔しいから、
有名になろうと思った・・と。
太郎 あぁ、有名になるには、やっぱり鬼だろ。
記者 だから。鬼退治に。
太郎 あぁ、手っ取り早いからな。
記者 そうですかぁ。いや、なかなかできることじゃありませんよ。
太郎 そんなことねぇよ。
記者 あ、良かったらお土産です。食べてください。
太郎 お。ありがとう。団子か。
記者 それで鬼が島に向かった、と。
太郎 おい!!しっかりいい感じで記事にしてくれよ。
記者 当然ですよ。もう、それはヒーローですからね。
太郎 で、途中で牛が「モーモ-」言ってるんだ。
じゃあ、結局その牛を仲間にすることにしてよ。
「モーモ-、太郎さん、太郎さん」とか言うわけよ。
記者 え?すいません、聞いてませんでした。
太郎 どうしてきかねぇんだよ。
記者 どうですか?団子?
太郎 ん?あぁ、うまいよ。
記者 ありがとうございます。
で、仲間の話でしたっけ?
太郎 あぁ。
記者 で、そのモーモ-太郎さんは
太郎 太郎だ。
記者 え?あぁ、モーモ太郎さんは。
太郎 太郎だ。
記者 え?
太郎 太郎。
記者 モーモ?
二人 太郎!!
記者 失礼しました。「もーも(もごもご)」太郎さん。
で、どんな仲間を連れていたんですか?
太郎 いや、結局去っていなくなっちゃったんだ。
記者 猿・・・と。
太郎 結局、何もいなくてさ。
記者 イヌ?
太郎 あぁ、いなくなっちゃったんだ。
記者 イヌ・・・
太郎 おいおい、そんなこと、記事にしないでくれよ。
記者 キジ・・・と。
猿・イヌ・キジと。
太郎 ん?
記者 で、太郎さん、やっぱり大変だったでしょう。
太郎 あぁ、大変だった。
記者 何日間行ってらっしゃったんですか?
太郎 合計3ヶ月ぐらいかな?
記者 洗濯とか。
太郎 ん?
記者 汗臭くなるし・・ねぇ。
太郎 あぁ、それはまぁ、途中に川とかあったんで、そこで。
記者 川で洗濯・・・と。
太郎 そんなこと必要なのか?
記者 で、旅費は足りたんですか?
太郎 え?
記者 旅費ですよ。そんなにお金持っていたわけじゃなかったんでしょ?
太郎 あぁ、それは途中・途中で山で芝刈りのバイトとかしてさ。
記者 山へ芝刈り・・と。
それは「生と死」の「死」ばかり、という意味ではないですよね。
太郎 当たり前だろ?
記者 そうですよね。そんな大量虐殺的な意味じゃないですよね。
太郎 何言ってんだよ。
記者 ははは~。
太郎 あんた顔赤いよ?
記者 私、緊張しぃなもんで。
太郎 向いてないんじゃない?記者に。
記者 かもしれませんね。
で、「もーも」太郎さん。
太郎 太郎だ。
記者 その、太郎さん。
色々あって鬼が島に着いたわけですね。
太郎 あぁ、そうだな。
記者 鬼が島はどうでした?
太郎 まぁ、そうだなぁ。とりあえず恐れることは何もなかったか ら、
一番金がありそうな場所へ向かってよ。
記者 へぇ。
太郎 鬼の銀行へ向かったんだよ。
記者 なるほど。
太郎 まぁ、穏便に事は済ませようと思ったんだけど。
記者 はいはい。
太郎 ところが牛が暴れだしてよ。
記者 なんと。
太郎 めちゃくちゃにしちまったんだよ。
記者 あらぁ。
太郎 でもまぁ、そのどさくさで金をたんと、巻き上げてきたわけさ。
記者 犠牲とかは出なかったんですか?
太郎 よくは知らないけど。
記者 知らない?
太郎 でもまぁ、俺たちから言えば搾り取ってきたような金で、
そういう金を使っている悪党達だろ?
まぁ、いいんじゃねぇかな?
記者 はぁはぁ、そういう考えだ、と。
太郎 だって、鬼だぜ?悪い奴に決まってるだろ?
記者 はたしてそうでしょうかね?
太郎 え?
記者 鬼は鬼でコミュニティを作り平和に、恋もして、生きていると思いますが?
太郎 でも鬼だろ?
記者 「鬼」というくくりでくくられる、と。
太郎 まぁ、なぁ、鬼だしなぁ。悪いやつらだよ。
記者 なるほど。
太郎 ちょっと、しっかりといい記事にしてよ?
記者 もちろん、私の手でしっかりとよい物語にしてみせますよ。
太郎 頼むよ。
記者 ところで、団子のお味はどうでした?
太郎 ん?うまかったよ。
記者 そうですか。よかった。じゃあそろそろですかね?
太郎 いや、まだ帰りが最高なのよ。
記者 話をまだ聞きたいのはやまやまなんですが。
太郎 何?時間?
記者 はい。だいたい10分で効き目が出るように改良したもので。
太郎 何が?
記者 動きづらくなってきましたか?
太郎 え?
記者 毒が・・入ってたんですが。
太郎 え?
記者 いや、銀行ではお世話になりました。
太郎 え?
鬼 私、鬼子と申します。
太郎 え?
鬼 私、鬼です。
太郎 な・・・
鬼 もう少し自由が利かなくなってきたでしょう?
太郎 これは・・
鬼 少しばかり毒を強くしておきました。
太郎 なんで・・・
鬼 モーモ-太郎さん
太郎 ・・太郎だ。
鬼 有名になりたい、とか。
太郎 な・・・
鬼 私の愛する人は本を書いていたんです。
太郎 ん・・・
鬼 有名にしてあげますよ。物語の中でね。
太郎 ぐ
鬼 さよなら。もーもー太郎さん
太郎 た・・ろうだ・・・
もーも太郎さん、もーも太郎さん、お腰につけた毒団子、1つ私にくださいな。
あげましょう、あげましょう、お腰につけた毒団子、うまく使うならあげましょう。
ありがとうありがとう、お腰につけた毒団子、うまく私は使いましょう。
使いましょう。
鬼 さよなら。桃太郎。
エンディング ラッセーラーラッセーラにのって
~こうして名前のないネットラジオ桃太郎の物語は終わりを告げるのであります。さよなら。桃太郎。
また会う日まで~
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【記事担当】
アサダワタル(築港ARCチーフディレクター/大和川レコード)
築港ARCの総合ディレクション担当、及び、アーティストとして弾き語りを中心に、打楽器演奏、ビデオパフォーマンスなどを行う。
http://www.geocities.jp/endeavor0203/
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