2007.9.5
関西アート情報ポッドキャストARCAudio!!。毎週水曜日はボイスコラムのコーナーです。
滋賀県立大学人間文化学部准教授の細馬宏通さん、通称:かえるさんの日常を掘ったらアートが採れた:「かえるさんの日常露天掘り」 をお届けします!
今月9月のテーマは「映画と日常」です。
日常、露天掘りなのに、映画という非日常の話?いやいや、大事なことはみんな映画から教わった、と
淀川長治先生も言っておられました。というわけで、9月は映画から日常に漏れ出してくる何か、映画から日常に持ち出してしまった何かのお話です。
[ボイスコラム:かえるさんの日常露天掘り【映画と日常 1/4】]をダウンロード
9月は芸術の秋の始まりでございますね。行きたい映画が山程ある、借りたい映画も山程ある今日この頃。しかし一時期、岩井俊二さんの「リリィシュシュのすべて」を月1回は必ず見返していた時期があって、そのときは心の中で映画に出てくる鉄塔のある草原を求めてさまよっていたように思います(ちょっと危ないですね…)。
細馬宏通さんプロフィール:
(以下、細馬宏通研究室ホームページより抜粋)
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1960年西宮市生まれ。
滋賀県立大学人間文化学部人間関係専攻助教授。
物理をやるつもりで大学に入ったものの、自分の物理センスにはやばやと見切りをつけて生物に転向。大学院では日高敏隆先生のもとで動物行動学を専攻していました。
最初はシャクトリムシ(クワエダシャク)が木の枝の真似をする行動について研究をしていましたが、あまりに動かない動物なので正直自分でも手応えがつかめませんでした。たまたま調査に訪れたマレーシアサバ州(ボルネオ島北部)でトンボ(ナンヨウベッコウトンボ・コフキオオメトンボ)のなわばり行動を観察し、そのすさまじい動きに圧倒されて、ようやく行動研究のおもしろさがわかってきました。
そのあと、(いまとなっては自分でもなぜかわかりませんが)1987年ごろに人間の日常生活の行動研究に転身。短時間でたくさんデータがとれる研究を、と思ってエレベーターの中の行動を始めるようになりました。最初は確たるあてがあったわけではありませんが、あとになって、シャクトリムシやトンボを研究していたときに考えていた時空間構造の解析手法を、人間の会話パターンにあてはめうることに気づきました。そこで、生態学で「棲み分け」の分析に使う数学的手法を、音声パターンの時間分析で使えるように改めて、エレベーターの中の会話を分析したのが博士課程での研究です。
この頃から、谷泰先生を中心とした「コミュニケーションの自然誌研究会」に通うようになり、会話分析の手法を知るきっかけとなりました。日常の生の会話を扱うわたしの研究スタイルは、いまも続いているこの研究会から大きな影響を受けています。
1990年からパソコン通信に没頭し、NIFTY-Serveの心理学フォーラムの立ち上げにかかわったり、各種フォーラムのスタッフをやりました。ネットワーク論やチャット研究の仕事(そしてうんざりするほどある低レベルの自作ソフトと電子テキスト、およびそのカットアップ)はこの頃以来の産物です。ネットワークを通じて知り合った吉村信氏とステレオグラムの歴史を掘り起こしていくうちに、視覚文化の歴史のおもしろさがだんだん分かってきました。
エレベーターの歴史についてもっと知りたいと思い、日本で最初にエレベーターが設置された浅草十二階について調べ始めたのが1998年ごろ。はじめは気づいていませんでしたが、この塔は日本の視覚文化の中心のような場所でした。ステレオグラムだけでなく、錦絵、パノラマ、ジオラマ、絵はがきについて調べるようになり、その興味は現在まで続いています。
いっぽう、1998年ごろから、ことばの時間構造だけでなく、音声と身振りの相互作用を扱うようになり、次第に、ジェスチャー研究にはこれまでとは違うコミュニケーション論の可能性があることがわかってきました。おそまきながらMcNeillやGoodwinのおもしろさに気づくようになったのもこの頃です。ジェスチャーのマイクロ分析を通じて、最近、ようやく日常会話の奥の深さがわかってきたところです。(2003 Dec.記)
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【記事担当】
アサダワタル(築港ARCチーフディレクター/大和川レコード)
築港ARCの総合ディレクション担当、及び、アーティストとして弾き語りを中心に、打楽器演奏、ビデオパフォーマンスなどを行う。
http://www.geocities.jp/endeavor0203/
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