2007.10.11
Report:ロヲ＝タァル＝ヴォガ結成10周年記念公演【新青年】
築港ARCがお届けしているARC Audio!!の毎週木曜日特別企画「SpecialThursday」に
ゲストとして草壁カゲロヲさん（ロヲ＝タァル＝ヴォガ役者代表）に出演していただき、
10周年記念公演の広報協力もさせていただきました。
場所は大阪・北加賀屋にある名村造船所跡地での野外公演。
レポートさせていただいた公演日は9/28日、くもり。
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薄暗い人の気配がない方に吸い込まれていくと、どーんと古い工場のような建物と入り口らしい門を工事現場にあるようなでっかい照明が照らされてて。暗くてよく見えない中、じっくり見ると鉄鋼場みたいな骨組だけの劇場。上の方に少し台とかいすがかろうじて見える。
遠くの方ははしごが必要そうな骨組みだけの高い建物。さらに遠くをみると真っ暗な海が見えて港らしき背景がありました。昔、造船所だったんでした。海側だからか大きい風がびゅーびゅー吹きながら、開演を待ちます。
雨が降りそうで配布してくれた雨合羽を着ながら。
序幕曲はmama!milkさんによる演奏から始まり、どんなストーリーなのかわくわくさせてくれました。
悲しい寂しい音楽でもない、でも愉快な楽しい感じでもない。ゆったりした音楽。お客さんみんなほっこり聞き込む。
照明が変わって、スクリーンらしき画面が土台から降りてきて、文字で構成された映像が流れ、単音でリズミカルな音楽がリズムを刻む。この感じはこの公演の予兆と思わせるようなショートパフォーマンスを思い出します。
ふっと遠くを見るとさっきの骨組で出来た建物の上に黒尽くめの姿があって、英語で語りかけてくる。
そしたらすぐ目の前で、きれいな白い衣装をきた女の人たちがファッションショーみたいに歩いてくる。
拳銃を持ちながら。衣装はデザイナーの田川朋子さんによるもの。
草壁カゲロヲさん扮する大統領、他ヴォガの俳優さんたちが扮するホームレスや工場長があの頃の約束を忘れない、忘れられない、とそれぞれの心情をつぶやく。
戦後の高校卒業間際に青年たちみんなで語り合った”自分たちの未来や夢、思い”そういう[新青年]時代と大人になった今の時代、その２つの時間軸が劇中に何度もクロスして、大人になった今の時代の心境の変化を映した物語。
また、ホステス役にあふりらんぽのピカチュウが赤い衣装を着て出てきたときはびっくりしました！
その演じていたホステスの女の子も自分の本当にやりたいことを忘れられず、ホステスをやめてドラマーを目指します。
そこで出会ったホームレスに「おっちゃんくよくよしてばっかりしてたらあかん、前に進まな！」と自分の夢を語りながら、だだっ広い広場の真ん中にピンスポットが照らされながらドラムを叩きます。
女の子の、その熱い感情を表したかのようなドラムを叩きながら、今度はお客さんに、ピカチュウ自身の音楽に対するドラムに対する、世の中に対する熱い思いを語りかけます。わたしに言われているようで何度も胸が熱くなりました。
そうして青年だった大人たちがいろんなしがらみの中、さまざまな時間を過ごしてきた中、
最後はあの頃を思い出そうとメンバーを探し出し、みんなで思い出そうと動き出します。
挿入歌「新青年のテーマ」は作詞・作曲：北村早樹子×近藤和見／演奏・歌：北村早樹子です。
書き下ろしの曲で、心にしんみりきてすごくいい。
戦場カメラマンをやって死んでしまった仲間、社長をしていたのに倒産してホームレスになった仲間などあの頃描いた姿とは変わった姿になっていました。
そんな中、夢を実現している大統領の前に集まります。無事、問題も行動も起こさずに努めてきた大統領が、あの頃のあの気持ちを思い出して最後の最後に衆議院解散を宣言するシーン。
リアルタイムで安倍総理が辞任したときでもあって、人ごとじゃなく、どきっとしました。
そうして任期を終えた直後、大統領は脳卒中で死んでしまいます。
実はロヲ＝タァル＝ヴォガ公演を見るのは初めてなので、今までもこういった内容で公演されていたのかわからないんですが、この10周年記念公演でこのようなテーマ・演出をされたことに10年分のヴォガを見たようでとても満足です。
今後も楽しみにしています。みなさん、みましたかーー？見れなかった人、次回にご期待！
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【記事担当】<ぶん・しゃしん>
蛇谷りえ(築港ARC 企画・広報担当)
築港ARCの企画・広報担当してます、高校のときからデザイン畑で育った美術好き。
好物はコミュニケーション。みんなのわたしの生活記録係、始動中。
投稿者：JaTANi 
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